September 21, 2006

生糸の秘密 精錬  

昨夜“きものさんぽみち”の質問コーナーに
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『先日、正絹で作られたカード入れを買いました。内側に、「先練」と書いてあります。
反物のハギレを使って作られたものらしいので、反物の端に印刷された文字のようです。
(手作り品ですので、その文字があることで更に手作り感が増して、いい味を出しているな、と思います。)「先練」の意味が知りたいので、教えてください。』
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と言う問いが寄せられたので説明します

着物は絹糸で織られています、この糸は蚕から取ります。

蚕の繭からとった生の糸は「生糸」(きいと)と呼び、顕微で見ると
絹糸の本体フィブロインを、膠質のセリシンが覆う二重構造になっています。
叉いろいろの不純物もついています。

絹本来の美しさと良さ(染色の発色のよさ、しなやかさ、艶など)を発揮させるためには、
石鹸・ソーダ・酵素等を使って色々な方法で洗い、セリシンなどを取り除く必要があります。

この処置を「精錬」(せいれん)または「練り」(ねり)と呼びます。
京都には「練り屋さん」と呼ぶこの処置専門の工場があり
大きな高い煙突が目印で、ここで精錬されるのです。

生糸の状態で精錬する事を「先練り」(さきねり)
布地に織った状態で精錬する事を「後練り」(あとねり)と呼んでいます。

先・後 それぞれの処置により、布地もおのずと味わいが異なります。
染色方法・織り方の違い・生産地による特色が多彩な着物生地を生んでいますが
最初の練の加え方の違いも大きく影響しています。

着物と言う衣装が生まれるまでには、生糸段階からこのような複雑な手間をかけます、
ここからも、まだまだ何十段階もの工程をたどり丁寧に丁寧に作られます

100年は大丈夫。
同じきものを何度着ても飽きず愛着深まるばかり・・・
同じ着物で何度登場しても顰蹙でない!
祖母・母・娘と三代の現役衣装になる

・・・という驚異的な「絹の着物」の秘密は
この技の集成に有るのかもしれません。

投稿者 blogkyoto : September 21, 2006 08:08 PM

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